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study:bio:booth [2010/08/17 20:19] 127.0.0.1 外部編集 |
study:bio:booth [2014/10/27 16:44] (現在) |
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経験的方法と個人的観察(「意見」)の折衷という方法論の問題は、Boothの社会調査を理解する重要な鍵である。上にみた諸解釈は、この両者(科学と道徳と言い換えることもできる)を根本的に整合しえないものとみる前提にたっている。しかし、Booth自身は、両者の折衷こそが世紀末ロンドンの立体的記述にとって重要な意味をもっていた。その第三シリーズ(宗教的影響)も、そうした視角から理解される必要がある。Boothの社会調査や老齢年金制度の提案が、ヴィクトリア期の社会改良思想に典型的なある種の価値観・美徳観に貫かれているとするHimmelfarbの研究(1991)やBoothアーカイブの丹念な調査によって、「印刷された調査報告」と「印刷されなかったノート群」との対照から、その社会調査の基本的視座を明らかにしようとするO'Day and Englander(1993)の研究、また、ヴィクトリア的価値観をcivic virtueの伝統の中で理解しようとするHarris(1995)の報告などは、科学と道徳、経験的方法とイデオロギーの間で引き裂かれた通説的 Booth像を刷新する新しい研究である。 | 経験的方法と個人的観察(「意見」)の折衷という方法論の問題は、Boothの社会調査を理解する重要な鍵である。上にみた諸解釈は、この両者(科学と道徳と言い換えることもできる)を根本的に整合しえないものとみる前提にたっている。しかし、Booth自身は、両者の折衷こそが世紀末ロンドンの立体的記述にとって重要な意味をもっていた。その第三シリーズ(宗教的影響)も、そうした視角から理解される必要がある。Boothの社会調査や老齢年金制度の提案が、ヴィクトリア期の社会改良思想に典型的なある種の価値観・美徳観に貫かれているとするHimmelfarbの研究(1991)やBoothアーカイブの丹念な調査によって、「印刷された調査報告」と「印刷されなかったノート群」との対照から、その社会調査の基本的視座を明らかにしようとするO'Day and Englander(1993)の研究、また、ヴィクトリア的価値観をcivic virtueの伝統の中で理解しようとするHarris(1995)の報告などは、科学と道徳、経験的方法とイデオロギーの間で引き裂かれた通説的 Booth像を刷新する新しい研究である。 | ||
- | ^ class ^ number ^ ratio ^ ^ | + | ^ class ^ numbe r ^ ratio ^ ^ |
| A(lowest) | 37,610 | 0.9% | In poverty (30.7%) | | | A(lowest) | 37,610 | 0.9% | In poverty (30.7%) | | ||
| B(very poor) | 316,834 | 7.5% | ::: | | | B(very poor) | 316,834 | 7.5% | ::: | |