学びのカフェテリアとは?
About Our Program

プログラムの意義と目的

カフェテリアのイメージ

学生の街と言われる京都では、大学と共に地域社会も学生たちを育んできました。大学の教育においては、最も身近な地域社会である京都の街は、学生が学ぶフィールド、問題発見と実践の現場としてとても重要な存在です。特に、学問的知識を社会の問題解決の実践へと結びつけることを志向する政策科学部のような学部では、キャンパスの中で学ぶだけでははく、実際に社会で起こっている問題を発見し、そこに実践的に接しながら学ぶことは重要です。しかし他方で、このように京都の街をフィールドとして行われる大学教育においては、あまり意識されないままに地域社会に対して多くの負担を、その善意の下にかけてきたことも事実です。つまり、大学と地域社会とは、ある意味で一方通行的な関係になっており、このような関係はあまり好ましいとは言えません。やはり大学は、学生の教育や研究を通じて、地域社会に何らかのフィードバック、貢献をすることが、その社会的役割として必要です。ここでの取り組みは、学生の教育において地域社会をフィールドとして一方通行的に活用するだけではなく、その成果を地域社会の問題解決プロセスへと実践的に結びつけフィードバックすることを意図しています。それによって、政策科学部が地域社会の問題解決プロセスに貢献すると共に、さらに教育内容を充実させていくことを目指しています。

政策科学部の教育において、地域社会との窓口になるのはゼミナール科目(小集団の演習科目)です。政策科学部では、1回生時には「基礎演習」、2回生時は「研究入門フォーラム」、3、4回生時には「専門演習」というゼミナール科目が用意されています。1回生の基礎演習は、その科目名のとおり、大学で学ぶための基礎的な力を養成することが中心になりますが、2回生の研究入門フォーラムからは本格的な研究活動が始まります。学生は、研究入門フォーラムや専門演習の活動を通じて地域社会に出て行き、現実の問題に接しながら研究を進めていきます。そこでここでは、それぞれの学生が地域社会で研究し問題を解決するために必要な専門的技法を学ぶことができる「学びのカフェテリア」というプログラムを立ち上げます。

この取組のモデルとなったのは、2004年度、2005年度に3回生が近畿青年税理士連盟京都支部の協力を得て地元中小企業に対して活性化策の提案を行った「マーケティング演習」や、2007年度に京都市木屋町地区の飲食店の新規顧客開拓という要望に対して、外国人観光客集客を目標に英語の地域案内冊子を作成、配布した、2回生の研究入門フォーラムにおける「Decoding Kyoto」プロジェクトなどです。政策科学部では、これまでもこのように、地域の問題を実践的に解決することを目指した取組を数多く行ってきており、一定の成果も上げています。しかし、このような取組を進める中で、正課のカリキュラムや既存のプログラムだけでは不十分なところや、用意すべきプログラムなども明らかになってきました。そこで、これらの経験を踏まえて、このような取組をさらに充実し実質化するためのプログラムとして生まれたのが、この「学びのカフェテリア」です。

この「学びのカフェテリア」のメニューには、もちろん正課の授業も含まれていますが、授業以外にも数多くのメニューが用意されます。政策科学部の用意するカリキュラムでは、地域社会で研究したり、そこでの問題を解決するための知識や技法が用意されていますので、基本的には正課の授業でこれらの知識や技法を身につけることができます。しかし、授業だけでは時間や場所、人数、機器などの制限があり、どうしても一歩踏み込んだ実践まで学ぶことができないこともあります。そこで、それぞれの学生が自分の調査や研究に必要な技法を、まるでカフェテリアで好きなものを自由に選んでトレーにのせるように、必要に応じてメニューから選び学ぶことができるようにするのが、この「学びのカフェテリア」です。学生は、「学びのカフェテリア」で地域社会で研究を進めるために必要な知識や技法を身につける一方で、ゼミナールの担当教員から、筋道を立てて考え表現する論理的思考、多くの利害関係者の立場を踏まえた多角的視点での考察の仕方、固定観念に囚われない批判的思考といった問題解決的な思考やアプローチの方法を指導されながら、地域社会で実践的な研究を進めていきます。

カフェテリアのイメージ

このような教育プログラムによって、これまでのようにあまり意識せずに、ただ地域社会に学生を送り出すだけではなく、教育や研究の成果を地域にフィードバックし、大学が学生の教育を通じて地域社会に貢献していくことを目指します。また学生自信にとっても、しっかりとした知識と技法を身につけて現実の地域社会の問題に実践的に取り組み、解決方法を考え、具体的に行動するという経験は、ある意味では社会経験の一環でもあります。キャリア教育を、大学教育と社会との橋渡しと考えるならば、このような経験はまさに学部教育に裏付けられた、より実践的なキャリア教育とも位置づけることができます。このように捉えれば、このプログラムは、就職意識や職業観をも育成することになり、社会に求められる人材の輩出といった、より広い意味での地域貢献にも結びついています。

プログラムの構成とメニュー

この「学びのカフェテリア」プログラムでは、地域社会での問題解決に必要な技法を中心に様々なメニューが用意されます。先にも述べたように、メニューの中には、既に政策科学部のカリキュラムで授業として提供されているものもありますが、この取り組みの中心となるのはこのような授業に加えて、課外で用意するセミナーやヘルプデスクといったものです。セミナーは、学外の専門家などを呼び、授業から一歩踏み出して、より専門的、実践的に問題解決の技法を学ぶことができるようなメニューを用意します。また、ヘルプデスクは、授業の内容と連携したりゼミナール科目での研究のステップなどに応じて、問題解決の技法をしっかりと身につけるためのサポートや、それをさらに発展させるためのアドバイスを行うなど、それぞれの学生の状況に応じてきめ細かく対応していきます。

カフェテリアのメニューは、学生の要望やステップに応じて様々なものを用意していく予定です。ここでは、政策科学部がこれまで取り組んで来た取り組みを踏まえて、デジタル情報発信や経営コンサルティング、フィールドスタディー、統計、英語など、いくつかのセミナーやヘルプデスクを用意します。フィールドスタディーや統計は、地域で調査をしたり、調査で得られたデータを分析するために欠かせない重要な技法です。また、調査や分析を行った後には、それらに基づいて具体的に問題解決の方法を考え、さらに実践的に地域にフィードバックしていく必要があります。そこでは、経営コンサルティングの手法を応用して解決策を考えたり、その知見をWebサイトや英語などを用いて発信していかなければなりません。このような一連の問題解決のプロセスで必要な技法にかんするものを、まずは「学びのカフェテリア」のメニューとして用意します。しかし、これはあくまでも立ち上げの段階で用意されるものですので、学生からの要望や必要に応じてメニューを見直したり、新しいメニューを柔軟に追加していきます。このように、カリキュラムと密接に連携を図りながら「学びのカフェテリア」を展開していくことで、政策科学部の教育をより充実させていきます。